パーソナルトレーナーにとって機能解剖学を学ぶことは、動作分析やトレーニング指導をする上で必要な知識の1つです。
この記事では、パーソナルトレーナーやフィットネスインストラクターなどを養成する専門学校で機能解剖学の授業を教えている僕が『方向を表す用語』について解説します。
目次
正中線より近いか、遠いか
身体の中心線である正中線に近いか、遠いかによって、内側(ないそく)と外側(がいそく)という表現を使います。
内側
- 正中線により近い
- 英語では、Medial
- 例)内側上顆、内側側副靭帯など
- 膝の靭帯である内側側副靭帯 Medial Collateral Ligamentは、日本でも英語の略称でMCLと呼ばれているので、内側=Medialは覚えておきましょう!
外側
- 正中線から遠い
- 英語では、Lateral
- 例)外側上顆、外側側副靭帯など
- 膝の靭帯である外側側副靭帯 Lateral Collateral Ligamentは、日本でも英語の略称であるLCLと呼ばれているので、外側=Lateralは覚えておきましょう!
前か後ろか
身体の前なのか、後ろかによって前方と後方という表現を使います。
前方、前面
- 身体の前側
- 英語では、Anterior
- 例)前十字靭帯
- 膝の靭帯である前十字靭帯 Anterior Cruciate Ligamentは、日本でも英語の略称でACLと呼ばれているので、前方=Anterior は覚えておきましょう!
後方、後面
- 身体の後ろ側
- 英語では、Posterior
- 例)後十字靭帯
- 膝の靭帯である後十字靭帯 Posterior Cruciate Ligamentは、日本でも英語の略称でPCLと呼ばれているので、後方=Posteriorは覚えておきましょう!
上か下か
身体の上なのか、下なのかによって上方と下方という表現を使います。
上方
- より上
- 英語では、Superior
- 例)上前腸骨棘 Anterior Superior Iliac Crestは、日本でも英語の略称でASISと呼ばれているので、上方=Superiorは覚えておきましょう!
下方
- より下
- 英語では、Inferior
- 例)下前腸骨棘 Anterior Inferior Iliac Crestは、日本でも英語の略称でAIISと呼ばれいているので、下方=Inferiorは覚えておきましょう!
頭方
- 頭部に近い方
尾方
- 尾骨に近い方
体幹や起始に近いか、遠いか
四肢のいて体幹や起始に近いのか、遠いかによって近位と遠位という表現を使います。
近位
- 四肢において体幹や起始に近い
- 英語では、Proximal
- 例)近位指節間関節 Proximal Inter-Phalangeal Jointは、日本でも英語の略称でPIP関節と呼ばれいてるので、近位=Proximalは覚えておきましょう!
遠位
- 四肢において体幹や起始から遠い
- 英語では、Distal
- 例)遠位指節間関節 Distal Inter-Phalangeal Jointは、日本でも英語の略称でDIP関節と呼ばれいてるので、遠位=Distalは覚えておきましょう!
骨に近いか、皮膚に近いか
身体を輪切りにした切断面で考えた場合に、骨に近いか、皮膚に近いかによって深部と浅部という表現を使います。
深部
- 皮膚から遠く、体を輪切りにした切断面で考えた場合、中央にある骨に近い方
- 英語では、Deep
浅部
- 皮膚から近く、体を輪切りにした切断面で考えた場合、中央にある骨から遠い方
- 英語では、SSuperficial
最後に
方向を表す用語を覚えたとしても、パーソナルトレーナーがクライアントさんに対してトレーニング指導する際などに影響を及ぼすことはありません。
基本的にパーソナルトレーナーとクライアントの間ではなく、パーソナルトレーナー同士やパーソナルトレーナーと医療スタッフなど、専門家同士の情報共有などで使用される専門用語なので、知らないと専門家として情報を共有しづらくなります。
方向を表す用語は、機能解剖学だけではなく、スポーツ医学や傷害評価、傷害報告書の記録などで使用されている専門用語なので、早めに覚えて、パーソナルトレーナーとして使えるようにしましょう!