「ケガを予防したいけど、どんな知識を身に付ければいいのか分からない…」
「ケガについてゼロから学びたい!」
パーソナルトレーナーは、安全、効果的かつ効率的にクライアントをトレーニング指導する必要があります。
安全にトレーニング指導をして、日常生活やスポーツにおけるケガを予防するためには、スポーツ医学に関する知識を学ぶ必要があります。
今回の記事では、パーソナルトレーナーがケガ予防のために必要なスポーツ医学を学ぶ上で基礎となるケガの2つの種類について解説します。
ケガ=傷害(しょうがい)
一般的にスポーツやトレーニングなど、身体を動かして受傷するケガのことを傷害(しょうがい)と呼ばれています。
ただ、最近では、傷害は傷害事件などと結びつくため、ケガのことを傷害と呼ぶのを避ける動きもあります。
ケガの2つの分類
傷害ではなく、ケガの2つの分類である外傷(がいしょう)・障害(しょうがい)と表現しようという流れがあります。
『パーソナルトレーナー養成所』でも、傷害という表現ではなく、なるべく外傷・障害と記載していきます。
外傷=急性
ケガの中でも急に起こったものを外傷と呼びます。
転んだり、ぶつかったりしたなど、1回の大きな外力によって組織が損傷されるケガが外傷です。
- 骨折
- 亜脱臼/脱臼
- 捻挫
- 打撲
- 肉離れなど
外傷は突発的なものなので、いつクライアントがケガを受傷したのかが分かりやすい特徴があります。
一般的に、スポーツ中やトレーニング中に起こるケガとイメージする分類がこの外傷です。
外傷はさらにどのように受傷したかによって、「接触型(コンタクト)」と「非接触型(ノンコンタクト)」に分類されます。
接触型は、他のヒトやモノに接触することによって受傷した外傷です。
- 太ももに相手選手の膝が入った=打撲
- リバウンドからの着地で別の選手の足を踏んでしまい、足首を捻った=捻挫
一方、非接触型は、ヒトやモノへの接触を伴わずに受傷した外傷です。
- 1対1で抜こうとしたときに膝を痛めた=捻挫
- ダッシュしたときに太ももの裏側を痛めた=肉離れ
ケガ予防を目的にトレーニング指導する際には、急性のケガの中でも主に非接触型の外傷が対象になります。
障害=慢性
ケガの中でも比較的長期間、ストレスが繰り返されることによって生じたものを障害と呼んでいます。
オーバートレーニングやオーバーワーク、オーバーユースなどが原因のため、接触型外傷よりも予防しやすく、パーソナルトレーナーとしては適切なコンディショニングによって予防したいケガの種類です。
- 疲労骨折
- 腱炎
- 腱鞘炎
- 成長痛など
ケガの予防
パーソナルトレーナーとして、ケガの予防はとても重要な役割のため、予防したケガに関する知識(スポーツ医学)を持つことが重要です。
- どのようにケガが起こるのか=受傷機転
- どのようなストレスが組織にかかるのか=メカニズム
- どのような原因でケガが起こるのか=原因
- どのような症状や徴候があるのか=症状や徴候
ケガが起こらないようにするための一次予防では、どのような原因があり、その原因を最小限にするためにはどのようなアプローチがあるかを考える必要があります。
残念ながらすべてのケガの原因に対してパーソナルトレーナーはアプローチできません。
パーソナルトレーナーとして、
- コントロールできる原因
- 誰もコントロールできない原因
- 誰かはコントロールでき、パーソナルトレーナーとして、その人にアプローチできる原因
上記の3つの整理をして、誰もコントロールできない原因以外の原因に対して、どのようにアプローチできるかを考えて、ケガ予防のために行動することが大切です。
まずは、パーソナルトレーナーとしてコントロールできる原因に対するアプローチを優先することに心がけましょう!
最後に
ケガには、1回の大きな外力によって起こる外傷と繰り返しの外力によって起こる障害の2つの種類があります。
パーソナルトレーナーとして主にトレーニングで予防できるケガは、ノンコンタクトの外傷と障害です。
あなたがパーソナルトレーナーとしてトレーニング指導するクライアントはどのようなケガを予防したいのか、もしくはどのようなケガをするリスクがあるかを把握する必要があります。
起こる頻度の高いケガや、長期間スポーツや日常生活動作に影響を及ぼすケガ(重症度の高いケガ)を優先的に学ぶことがおススメです!
僕は、アメリカの準医療資格であるアスレティックトレーナーとして12年以上活動しています。
パーソナルトレーナーやフィットネスインストラクターなどを養成する専門学校で非常勤講師として『スポーツ医学の授業』を担当しています。