【機能解剖学】筋収縮の4つの種類を解説

「筋肉の収縮の種類って何?」

「筋収縮の種類って学んだけど、もう一度復習したい!」

ジンノウチ

パーソナルトレーナーにとって動きを理解することは、トレーニング指導をする上で基盤となる知識の1つです。

ヒトが身体を動かしているときに筋肉がどのように収縮して力を発揮しているかを分析するためには、『筋収縮の4つの種類』をまず知らなければなりません。

今回の記事では、パーソナルトレーナーやフィットネスインストラクターを養成する専門学校で機能解剖学を授業を教えている僕が筋収縮の4つの種類について解説します。

筋収縮の4つの種類とは

筋収縮の種類を大きく分類すると、3つです。

3つの内の1つが、さらに2つに分類されているため、最終的には筋収縮は4つに分類されます。

3つの大きな分類

筋収縮の大きな分類とは、

  1. 等尺性筋収縮(アイソメトリック)
  2. 等張性筋収縮(アイソトニック)
  3. 等速性筋収縮(アイソキネティック)

① 等尺性筋収縮(アイソメトリック)

1つ目の等尺性筋収縮(アイソメトリック)は、筋の長さを変えずに力を発揮している筋収縮です。

分かりやすいのが、空気イスや腕相撲でお互いが均衡の状態で握りあっている手が動かない状態です。

等尺性筋収縮の特徴は、筋の長さを変えない点です。

② 等張性筋収縮(アイソトニック)

一方、2つ目の等張性筋収縮(アイソトニック)は、筋の長さを変えて、関節を動かしながら力を発揮している筋収縮です。

等張性筋収縮の特徴は、筋の長さが変わる点です。

③ 等速性筋収縮(アイソキネティック)

3つ目の等速性筋収縮(アイソキネティック)は、漢字の通り、動きの速さが変わらずに力を発揮している筋収縮です。

等速性筋収縮は、日常的な動きではなく、アイソキネティックマシーンという特別な機械を使うときに起こります。

このアイソキネティックマシーンは、特に膝や肩のリハビリテーションで利用されていて、この機械が関節の動きのスピードをコントロールします。

機械が関節の動きのスピードをコントロールするので、より大きな力を発揮している際には抵抗を大きくして、発揮する力が小さいときには抵抗を小さくするように設定されています。

このように動く関節のスピードをコントロールしているため、安全にトレーニングができるメリットがあるので、リハビリテーションで利用されています。

4つの分類

等尺性筋収縮と等速性筋収縮はそのままですが、等張性筋収縮はさらに2つに分類されています。

等張性筋収縮は、筋の長さを変えて力を発揮する筋収縮のため、筋の長さの変化には、短くなる変化と長くなる変化の2種類あります。

短縮性筋収縮(コンセントリック)

筋の長さが短くなりながら力を発揮することを、短縮性筋収縮(コンセントリック)と呼ばれています。

伸張性筋収縮(エキセントリック)

一方、筋の長さが長くなりながら力を発揮することを、伸張性筋収縮(エキセントリック/イーセントリック)と呼ばれています。

伸張性筋収縮の方が短縮性筋収縮より大きな力を発揮できる一方で、筋肉痛になりやすいという特徴があります。

発揮する力と抵抗の関係で4つの筋収縮を理解する

パーソナルトレーナーとして4つの筋収縮を覚えるだけではなく、4つの筋収縮のそれぞれを発揮する力と抵抗の関係で理解することが必要です。

等尺性筋収縮は、筋の長さが変わらないので、発揮する力と抵抗は同じです。

発揮する力=抵抗

短縮性筋収縮は、筋の長さが短くなるので、発揮する力が抵抗より大きくなります。

発揮する力>抵抗

伸張性筋収縮は、筋の長さが長くなるので、発揮する力は抵抗より小さくなります。

発揮する力<抵抗

等速性筋収縮は、筋の長さの変化が一定のため、発揮する力と抵抗の差は常に一定です。

筋収縮とトレーニングやストレッチとの関係

トレーニングとストレッチの関係を分かりやすく説明するために、

トレーニングは、筋の長さが短くなる

ストレッチは逆に、筋の長さを伸ばす

という表現を使うことがしばしばありますが、トレーニング=短縮性筋収縮だけではありません。

体幹トレーニングで有名なフロントプランクやサイドプランクなどは等尺性筋収縮です。

もちろん、トレーニングとストレッチの一般的なイメージを利用して分かりやすく説明する点ではいいと思いますが、パーソナルトレーナーとしてトレーニング=短縮性筋収縮と考えてしまうのはNGです。

最後に

最後になりますが、4つの筋収縮の種類は、漢字でもカタカナでも両方、パーソナルトレーナーとしては覚えておく必要があります。

漢字とカタカナのどちらかと言えば、カタカナの方が多く使われている印象はありますが、どちらとも覚えてください。

カタカナに慣れない方もいらっしゃるかもしれませんが、エクササイズの名前などはカタカナが多く使われているので、少しずつ慣れていっていただきたいです。

余談になりますが、エクササイズの名前を覚えるためにも使われている英語の意味を覚えておくと今後、エクササイズの名前を覚えやすくなりますし、知らないエクササイズでも名前を聞いて、どのような動きをするエクササイズなのかを予想できるようになります。

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ジンノウチ シュンパーソナルトレーナー
パーソナルトレーナー歴20年以上。アメリカの準医療資格であるアスレティックトレーナー、NASM公認のパーソナルトレーナーを養成するフィットネスエデュケーターとして活動。日本健康医療専門学校スポーツトレーナー養成コースで「NASM CPT養成コース」を担当。